NHK番組の100分de名著は大好きで録画して観ていますけど、今回のアレクシエーヴィッチ著『戦争は女の顔をしていない』。もちろん、今のウクライナ情勢を鑑みての再放送でしょうけど、それにしてもリアルな内容に衝撃を受けました。

先ず、第二次世界大戦のソ連軍に約100万人の女性兵士がいたことにビックリ。しかも、戦場で一番嫌だったことが、死への恐怖ではなく、男もののパンツを履くこと、との感覚…これこそ通常の人間の感覚ではありません。残虐非道な殺し方や敵国女性へのレイプ。男兵士の女性を人間として扱わない横暴さ。しかも、未来ある子供たちを楽しみながら殺す。余りの生々しさに唖然とするばかり。とはいえ、戦場での恋。戦争が終われば、連れて終わる短い恋も描かれて、少しホッともしたり。ただ、戦争から帰還してきたら、待っていた差別。兵士だったことを隠して生きていくしかなく、一緒に戦場で戦った男性兵士も帰還後は助けてくれなかった。本当に悲しいです。

とにかく、国家が個人に犠牲を強いるナショナリズムが酷い。人生も青春も全てを国家に捧げて、道具のように命を捨てていく。正しく、今、ウクライナ侵攻でロシア軍が行っていることではありませんか。第二次世界大戦から、何も変わっていない学習していない社会。本当に、地球破滅の道を歩んでしまいます。この『戦争は女の顔をしていない』は、ペレストロイカ後に出版され、彼女自身は2015年にノーベル賞文学賞を受賞しています。日本では、漫画にもなっているそうです。とても考えさせらました。がんばります!ではっ!