NHK番組「100分de名著」にて、カール・マルクス「資本論」を観ました。先ず、「資本論」といって思い出したのは、学生の頃、知ったかぶり先輩ほど「資本論・帝国主義論を読め」言ってきたことでしたねぇ(笑)。

正直、私も断片的な知識のみで、体系的に学んでる訳ではありません。もちろん、大学講義でマル経を習ったので、ある程度は知っていますけど、解説本を読んで概略を知っているのみ。

今回の番組では、とても分かりやすく説明してくれて、本当に勉強になりました。放送内容をメモしたのが次の通りです。

《商品と富》
・物質代謝論「人と自然との循環」
・労働が生み出すのが商品
・野生動物=本能的な行動
・人間=意識的な労働
・資本主義じゃなければ、社会の富は商品として現れてなかった
・マルクスの考える社会の富〜空気、水、森、図書館、文化、コミュニケーション能力等
・使用価値=人の欲求を満たす力
・価値=商品を交換できる力
・資本主義は価値を重視する
・人と物の立場の逆転=物象化
・労働価値説=価値は商品を生産するために必要な労働時間によって決まる
・商品と富は別もの

《資本と労働》
・資本とは価値増殖の運動である
・G(お金)ーW(商品)ーG’(お金)=資本主義
・W(商品)ーG(お金)ーW(商品)=資本主義より前の社会
・大洪水よ、我が亡き後に来たれ!
・自由1:強制労働からの自由
・自由2:生産手段からの自由=無い
・恐怖、自負、責任感=過酷な労働への鎖
・労働日の制限は、それなしには一切の解放の試みが失敗に終わらざるをえない先決条件として、我々は宣言する
・労働者が自由を勝ち取るには労働時間の短縮

《労働の疎外》
・資本家に都合のいい生産過程を作り出す、マルクスが最も問題視していた“働かせ方”改革
・賃金下がる貧しさだけでなく、技能・能力も奪われ貧しくなる
・労働とは構想と実行が統一されているのが人間らしい姿、資本主義の技術革新により生産力が上がっていく過程で構想と実行が分離してしまう
・機械は労働者を労働から解放するのではなく、労働を内容から解放するのである
・社会的にさほど重要とは思われず本人さえも意味がないと感じている仕事=ブルシット・ジョブ=クソどうでもいい仕事
・構想と実行の分離を乗り越えて、もう一度、労働を魅力的なものにしよう

《コモンの再生》
・アソシエーション=自発的な結社
・協業と地球によって、生産された手段をコモンとして占有することを基礎とする個人的所有を再建する
・コモン=共有財産
・社会の富をコモンとして管理しよう
・地球は誰のものでもない
・各人はその能力に応じて人々に与え、各人はその必要に応じて人々から受け取る
・再公営化への世界潮流

…といった感じでしたけど、すごく分かりやすかったですねぇ。コモンって、今の社会でも密接で、いわゆる区分所有マンションなんて、まさしくコモンそのものです。コモンって会社つくりたくなりました(笑)。

また、よくマルクス主義=資本主義の敵かように思われがちですけど、実は「人としての幸福」を忠実に分析研究している事の方が重要のような気がします。イデオロギー対立へ飛躍する前に、もっと根底から議論する必要があるのかもしれません。

ただ、これはほんの一部の内容でしょう。興味が湧いてきたので、一度じっくり読んでみたいですねぇ。今回は凄く勉強になりました。経営に活かせればと思います。がんばります!ではっ!