オンライン試写会にて映画『声優夫婦の甘くない生活』を観ました。予告編を観て、面白いコメディかと思いきや、とても考えさせられる内容でした。

1990年、ソ連からイスラエルへ移民したヴィクトルとラヤ夫婦。二人は吹き替え声優だったが、イスラエルでの声優仕事がない現実に直面する。生活のためラヤはテレフォンセックスの仕事に就き、一方、ヴィクトルは違法な映画海賊版レンタルビデオ店で声優の職を得る。いつしか二人はすれ違い、互いが気付かないふりをしてきた夫婦の本当の声が噴出する…。

先ず、時代背景の湾岸戦争について。日本では空爆等の同じ映像が流れるだけで詳細は伝わらず、この時期から自衛隊がPKO活動へ参加が可能になったことぐらいの知識。その頃、イスラエルでは、イラクのサダム・フセインからの毒ガス化学兵器を恐れ、国民にガスマスクが配られ警戒体制が敷かれていたこと、また、ソ連移民が多いこと、はじめて知りました。

中でも印象的な場面は…

/卦錣砲董二人テーブルを囲み「新しい門出に乾杯」とワイングラスを傾けるヴィクトルに対し、少し間を空け微かな笑みを浮かべようやく応じるラヤ。後に「新しい門出」の意味の違いが二人の距離を遠ざけ表面化していきます。

▲薀笋蓮不本意ながら始めたテレフォンセックスの仕事に慣れてきて、あるお客より「歌を聴きたい」とせがまれるます。そこで歌ったのが、なんとロシア語の『百万本のバラ』。日本では、加藤登紀子さんで有名ですが、これがロシアの歌だったことをはじめ知りました。また、素敵な歌詞に感動しました。

ラヤは、仕事で恋をしたお客にこっそり会うため、地中海に面した都市バットヤムの美しいビーチへ。景色を眺め二人の楽しいひと時は過ぎ、別れ際、ラヤはお客が本人の代理人と勘違いしていることを知り、虚構と現実を揺れ彷徨う中、突然キスをしてしまいます。62歳のラヤが少女のような表情で振る舞う姿がチャーミングで可愛かったです。

他にも…ヴィクトルがラヤの写真を撮る、だけどラヤは二人で一緒に撮りたいジレンマ。夫婦で同じ声優、声優での先輩風を夫婦間に持ち込むヴィクトルにすれ違うラヤ。等々の見どころ満載です。

そして、映画ファンには嬉しいダスティン・ホフマン『クレーマークレーマー』の映像が見れたり、台詞に出てくる映画監督フェリーニの作品『カリビアの夜』『81/2』は興味深く、ぜひ機会があれば観てみたいです。他にも出てくる『波止場』『プリティ・ウーマン』『ローマの休日』『スパルタカス』等々、ファンにはたまらないでしょう。

今回、はじめて観るイスラエル映画。色々と切り口のある映画、楽しみ考えさせられる映画だと思います。ぜひ映画館でご覧ください。オススメします。がんばります!ではっ!