先日、映画『愛と死をみつめて』を観て、もう少し詳しく知りたいと思い、大島みち子著「若きいのちの日記」を購入して読みました。

なるほど…この部分を映画にしたんだ!とよく分かりましたけど、よくよく考えれば考える程、何かしっくりいかず、悶々とした感じが残ります。

驚いたのが、みち子さんが昭和17年2月生まれときいて。実は、私の母、昭和17年3月生まれなんです。同級生だと思うと、元気いっぱいでカラオケ歌う母の姿を愛おしく思います。

しかし、運命とはいえ、余りにも悲し過ぎます。20歳の女性が手術をして、顔の半分を失うなんて。日記はリアルだし、感情がそのままだから、より辛くなります。

印象的なところを抜粋すると…

「空想の世界では、私は全く元気になって幸せな生活を送っている。やっぱり私はダメなんだ。いつまでも欲深く、虚栄心が強く、素直に死んでいくことさえもできない。」

「マコが絵(似顔絵)を送ってくる。吉永小百合とジェームス・ディーン、なかなかよく似ている。さっそく指定の場所に貼る。」

「枕辺を強く流れるツイストに
 病む青春の静けさを知る
白壁に手術の様を問いたけど
 霧にかすんで答え遠くに
人形や花の置かれし方すみは
 薬のにおひ 明るく遠ざけ
実験に飼い置かれし犬の声
 病舎にひびきて夜寒身にしむ」

「努力して生きるべきだ。マイナス面をプラス面に近づけるよう努力すべきだ。病気であることに甘えてはいけない。国は身体障害者の施設を作るべきだ。すばらしい場所に障害者だけの大きな楽園が出来たら、どんなにすばらしいだろう。」

「ああ健康がほしい。健康でさえあれば、どんな苦労もいとわない。最近、なにもかも忘れたくなってしまう時がよくある。特に昔のことを。昔のみち子が生きていなかったら、こんなに苦しまなくてすんだろうに。」

もしも、みち子さんが生きていたら…

大学を卒業し、医療ソーシャルワーカーになるか、それとも小説家なったかも。

河野実さんとめでたく結婚。3人の子供を授かる。枕元で本を読みきかせ、時には厳しく時には優しく。

子育てが終わり二人になって、ようやく走ってきた過去を振り返り、はじめて自分で自分を褒める。

天寿を全うし、棺桶での表情は、安らかに眠るように少し笑顔。子供たちに生涯書き続けた日記を託し天国へ旅立つ。

…こんな人生だったかもしれません。だからといって、何も「日頃から死を覚悟して生きろ」とは言いません。だらしない自分、怠け者の自分も認めてあげないと。ねぇ。

結局、答えは出ません。でも、それで良いのかもしれません。ただ、2004年から続けているこのブログは、これから先も続けていこうと思います。余り気張らず、気の向くままに。がんばります!ではっ!

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