最近、注目された正代関の口上「至誠一貫」。これは、中国儒学者孟子の言葉であると共に、吉田松陰の座右の銘でもあります。その時、ふっと思い出したのが、処刑前に書かれた遺言「留魂録」。これまで、少し内容をかじった程度だったので、今回、本を読んでみました。

「身はたとひ 武蔵の野辺に 朽ちぬとも
留め置まし 大和魂」

冒頭の句は、余りにも有名です。読んでいくと、愚痴のような内容もあり、実に面白いです。ただ、「忠義のために行動を起こす、問題は成果を気にして行動しないことだ」と、大半の人は本音と建前を使い分けるのに。感心するのは、その実直さ。熱さと勢いが半端ないです。

また、印象的だったのが「七生説」。楠木正成を例に肉体と生死を説いています。キーワードは「理」と「気」。これは、唯心的ですけど、現代でも生活に根付いた考えだと思います。反面、「死を恐れない」との意味で、歴史上、上手く利用された感はあります。なるほど…。

門下生の高杉晋作や久坂玄瑞はじめ松下村塾生たちが、明治維新クーデターを起こし、その後の日本を先導した原動力は、吉田松陰の処刑に対する彼らの後悔から起因しているのかもしれません。多分、彼らは常に「松陰先生の足元にも及ばない」と思っていたのではないでしょうか。

NPO法人みらいあんの活動で遺言を薦めています。今回、偉人の遺言として「留魂録」を例に、終活拡大に繋げたいと思っていたのですが、こんなに短い文章にもかかわらず、内容が深過ぎます。あと数冊は解説本を読んでみて、より理解を深めたいと思います。がんばります!ではっ!

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