先日、不動産査定と相続相談で打ち合わせ。ご本人とご家族交えて、色々と提案をしていたところ、ご本人より「この家、私が死んだら、国庫に帰属したらいいよ」と言われ、結局、何も決まりませんでした。

確かに、相続人不存在の場合、相続財産は国庫に帰属します。ただし、この手続きは、一定のハードルがあり、かなり複雑で費用もかかります。ましてや、相続放棄は、プラス財産・マイナス財産を含めて、全てを放棄するしかありませんので。実務上、国庫帰属という選択は、余程の条件が揃わないと難しいのが現実です。

しかも、国の立場からすると、市場性のない不動産ばかりを引き取っても、維持管理費用が増える一方で財政を圧迫するのは必至。極力、国有地を減らし、国民に所有権を持たせて、固定資産税や都市計画税等々の税金を徴収することが基本的な方針だと思います。

決めるのが面倒で、先延ばししたい気持ちは分かります。こちらを立てれば、あちらが立たず。でも、それでは将来にツケを回す赤字国債と一緒で何ら問題解決になりません。少しキツイ言い方にはなりますが、「責任」と決意して、背けることなく取り組んでほしいのです。

その為にも、先ずは、ぜひ「遺言」を書きましょう。ご本人がキッチリと意思表示しましょう。私自身、これからも遺言普及に努めたいと思います。スムースな遺産継承、個々人と国とが一味神水の間柄であるために。がんばります!ではっ!

image