面白かったので一気に読みました(笑)。この著者は、大手不動産会社に勤め、自己矛盾と大きな問題意識を抱えて、一般に知られていない不動産における真実を伝えたいかなぁ…と思いましたねぇ。

先ず、「2022年に不動産の常識が変わる」とは、生産緑地の2022年問題を取り上げてのことでした。もちろん、農地が宅地化され一般市場に流入することで価格が下落するのは解ります。ただ、生産緑地自体が首都圏含む三大都市圏での話し。首都集中を地方分散への流れが加速すれば、逆に流入することで上昇する可能性もあります。ましてや、今や外国資本も侮れませんので、もっと立体的に考察したいものです。

次に「マイホーム信仰の正体」を説明していました。ここは、数年勤めた業界人であれば、良くも悪くもあれ、誰もが分かっている内容かと思います。とはいえ、ここまで大手不動産会社や大手デベロッパーへの疑念を書くというのは、余程の経験をされたのかもしれません。私自身も、もちろん大手なりの大暴さを感じた経験もありますが、それはそれで理にかなっているところもありますし、我ら小さな業者でしかできない部分も多分にあるので、住み分けしておけばいいのかなぁ?なんて思いますねぇ。

最後に「マイホームの大転換」家で稼ぐか住み倒すか、とのことで、つまり、実住(効用)と投資の不動産の二面性での様々な話し。事例等を挙げた末、結局、不動産プロデューサーで決まると言っています。でも、私は、それでは遅いと思います。その前に「いかに川上情報を仕入れ、いち早く決断し、疾風の如く動くのか?」に尽きると思います。また、賃貸か?持家か?との比較は無意味、との意見には共感します。前提として、将来設計の延長線上にあるものなので、その局面だけでは判断できませんからねぇ。

ということで、頭で整理ができて、とても参考になりました。ただ、この本が書かれたのが、2017年のコロナ前なので、最新の状況を踏まえての再考察が必要でしょう。ともかく、この先の不動産情勢、誰も予想もしない展開が待っているかもしれません。「ミネルヴァの梟は曙に飛び立つ」、失敗を恐れず、積極的にチャレンジしていきたいと思います。

これから、不動産を購入しようと考えている人、不動産投資を考えたいる人、ぜひ読んでみてください。オススメします。がんばります!ではっ!

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