舞台は、かつて大阪・新世界にあったお好み焼き屋千両。オカマのママさん店主の物語。数年前からガンになり、自暴自棄になりつつも、常連客に支えられながら、お店を続けていた。

ママの言葉で印象的だったのは…
「この辺は、みんな故郷捨てた人が多いんよ。あんた田舎帰ったんか?ときいたらいや田舎帰られへんねん、って。借金で逃げてきた人とか…帰りたいけど帰れない、そんな人が沢山おったんよ。」

ガンが進行して、33年続けてきた店を閉めることとなる。その最終日、表まで溢れんばかりのお客さんで大盛況。店内は、悔しさ、寂しさ、懐かしさ、もちろん感謝でいっぱい。暗くなり、店を閉め帰るママに、大勢の常連客がラストまで残り、見切れるまで手を振り見送った。

後日、店内をキレイに片付け整理した。お好み焼きを焼き続けた鉄板に手を当て「ありがとねぇ〜、長い間、お世話になりました。」と声をかけた。いよいよ、玄関の鍵を閉める。その扉に手を当てさすりながら「33年、お世話になりました。事故もなくありがとう。」扉に手を当てたまま座り込み、数滴、涙を落とした。その4ヵ月後、数人の常連客に見守られながら、ママは旅立った…。

がんばります!ではっ!