半年程前、売却依頼を受けた福岡郊外のお婆さんが一人で住む家。理由は、東京に住む娘さんが心配で一緒に住むとの事。ただ、高齢になっての東京転居に「大丈夫かなぁ」と少し懸念はありました。
先日、その家が売れて決済引き渡しを終えました。すると、既に転居したお婆さんから電話がありました。「この度は、ありがとうございました」からはじまり色々と世間話しをする中、何気に「東京の生活はどうですか?」とたずねると「人ばかり多くて落ち着きませんばい」と。すると、いっとき間があって「梅崎さん、東京に来る時は必ず連絡くださいね」と言われ、私は「その時は必ず」と約束して最後、電話を切りました。
電話後、気になったのが、あの間。多分「住み慣れた福岡の家に帰りたかぁ…」との言葉が隠れていたと思います。でも、本人も状況はよく理解しているので、口には出さなかったのだと思います。依頼され仕事とはいえ、私は家を売った張本人。もう帰る家はありません。
ただ、救いは家を解体せずに中古のまま引き渡せたこと。家の雰囲気は維持しつつ、悪いところは調査しリフォームして渡しました。お婆さんが長年生活した大切な家は、新たな家主を迎えて引き継がれていく事でしょう。
もし将来、お婆さんが福岡に来る時があれば…。こっそりひっそり木影から、あの家を眺めてほしいと思います。がんばります!ではっ!