テレビをつけたら、横綱朝青龍の引退報道一色。実質、引退に追い込まれた大相撲界のヒール役は、最後までインパクトを残しましたねぇ。ただ、これは、良い意味では、逆に問題を浮き彫りにしたと言えるのではなでしょうかぁ。そもそも、明治以前の大相撲は、興行的な色彩が強い一種のショーだった訳で。多分、今のプロレスと変わらなかったでしょうし、当然ながら八百長は暗黙の了解の世界だったと思います。それが、維新後の国策も手伝って、いつのまにか国技になってしまい、しかも法人化されているという、別の伝統を引きずってきたことも現実でしょう。それを全て外国人力士に理解しろという方が、元々無理があったのかもしれません。

個人的には、歴史的に仕方ないとはいえ、神事や武道での“相撲”と興行としての“大相撲”をゴチャ混ぜにしたことが、根本的な問題だと思います。しかも、今や既得権益のブロックが形成されていて。それを“伝統”との言葉の下で守ろうとする人が、がむしゃらになっているとしか思えません。しかも、海外までスカウトに行き「強くなれば、沢山のお金が手に入るぞ」とそこだけを強調し、人参をぶら下げ、いざ入れば、伝統とか品格とかで縛られる。朝青龍関自身の問題はあったにせよ、そんなマクロ的な問題を感じますし、本来、人が組織をつくるのに、組織が人をつくるようになってしまっている気もします。

ただし、これは、何も相撲だけの話しでなくて、他のことでも当てはまることです。大学の留学生受け入れ問題もそうですし。少子化がすすむ中で、あらゆる組織が空洞化の危機にさらされているのだと思います。そして、会社もそうです。ある意味、大相撲の問題は、日本の社会全体の問題につながるのかもしれません。横綱朝青龍の引退報道を受けて、そんなことを考えていました…。とはいえ、大相撲ファンとして、これからも応援していきますので。頑張ります!ではっ!