現地を案内していると『この物件を今購入して、10年後にいくらで売れます?』と聞かれる方がいらっしゃいます。確かに、投資物件を購入される場合は、自分の所有した物件の資産価値がいくらになるのか?気になるのは、当然理解できます。

ただし、実住物件で、そう考えてしまうと…。正直、資産価値が維持できる物件とは、基本的に便利のよい中心街。生活するには、適当でない場合が多く、殆どは郊外になるので、そこで、今の家賃並みの支払い!将来、売却する際には、購入時より高値で売れる!そんな物件を紹介して下さい、と言われても困ってしまいます。余程の天変地異が起きない限り、福岡の中心は天神・博多駅周辺、との認識は変わらないでしょうから。

そもそも、何のために購入するのか?自分が努力したことを形として残したいのか?家族の安定した生活の為なのか?将来の資産づくりなのか?投資用資産物件でなく、生活重視物件だと、ある意味、逆ザヤになるのは当然です。その証拠に、仮に郊外マンションを購入して、数年で売り出したとしても、既に購入時の価格では売れないでしょうし、中には、かなり目減りしてしまう物件もあるかもしれません。

だからこそ、最低限の条件は整理しておかないと…。結局、いろいろな物件を見ただけで、頭がごちゃごちゃしてきて疲れて終わり、となってしまいかねません。その際に気を付けて欲しいのは、邪念を捨て直感を大事にすること。先日、ご案内した方が部屋を見た瞬間に『ここで、生活するイメージが湧かない』とおっしゃいました。私も『それだったら、この物件は買わないほうがいいですよ』と応対しました。そんな感じです。

人生、希望は必要です。とりわけ、不動産・マイホーム購入は、殆どの方が希望されることでしょう。しかし、“希望的観測で動く”のは極めて危険です。考えてみて、どうしても整理できない人は、今はタイミングでないと思った方がいいのかもしれません。焦って、あれもこれもとならずに。直感を信じ、シンプルに。そうすれは、どうするべきか、自然と見えてくる筈です。対応する我々も同じ。常にフランクに、形に拘らず。そんなスタイルで、これからも頑張っていきたいと思います。では。