夏の太陽が照りつける中
物件調査で、あるマンションへ
ひと通り確認し仕事を終え
会社へ帰ろうとバイクに乗ったら
目前に、ふっと飛び込んできた
保育園の看板文字。

…何気に、読んでみると

なんと、私の出身保育園。。。
だったんだ。。。

…となると

このマンションの場所
確か、昔は田んぼの中だった筈
以前、立ったっことのある場所なのに
それに気付きもしないで
物件調査していたなんて
一瞬、呆然。

…ちょっとまって

気になり、記憶を辿りながら、保育園を一周
すると、セピア色の風景に絵具が塗られていく
すると、石像のような人々が生き返り動きだす
すると、当時の街の香り・人々の吐息が蘇る
私も、何だか、わくわくしてきて
まるで、タイムスリップしたかのよう。

…でも

そんな時間も、つかの間、すぐ現実に引き戻される
すると、既にビルやマンションに囲まれていて
よく通った保育園前のパン屋さんも、もうない
活気あふれる街は、コンクリートに囲まれたマチへ。

…それでも

2階の窓から、園児の元気な歌声が響き渡る
運動場では、園児の楽しそうな笑顔が溢れる
どんなに時代が変わっても、ここは変わらない
以前の自分も、あの時、この場所にいたんだ

…そう

救われた思いを残し、その場を立ち去る
記憶の中の風景や人々を抱きしめながら