先日、不動産をしながら古美術ギャラリーをひらいている方とお会いしました。その方、よく感じる不動産業者独特のギラギラ感はなく、すごく素直な表情と洗練された雰囲気。話していると、何だか、私自身の体に付着した垢が、みるみる内に剥がされていくような感覚になって…。

とりわけ、その話しの中で、印象的だったのは『商売といっても、結局、信じてもらえるかどうかだけ』との言葉。確かに、不動産売買において、いくら重要事項説明書や売買契約書を法律に基づいて、しっかり作成し説明しても、結局は、人が行っている訳ですから、如何こう言っても、その人を信用するしかないのです。

ましてや、よくテレビで放映している鑑定番組において、鑑定団の言うことを、信じることが前提でないと番組自体が成立しませんし、出品者も、鑑定結果に不満はあっても不信はない筈です。…でも。よくよく考えてみると、不動産と古美術の仕事って近いのかもしれません。物件はフェイスで選べ!との私の信念とも通じるところもあったりしますし。

…そう、仕事をしていて出会います。不動産取得をすることの根本である、自分がどう価値を持って、住空間を演出するのか?との命題は逸脱され、何かと、相場より安く!条件が良いものを!と、自分本位でなく、とにかく誰が見ても損したと思われないような物件に執着する人々。そんな私の間をすり抜けていく人々が大半。

だからこそ、この限られた人生の中で、縁あって出会い関わった人とは、信じ合える関係でありたいと思います。もちろん、社員とも。そんな関係、決して、多くの人とはつくれないでしょうけど。でも、それで良いと思います。それが私の生き方だと思います。不器用なのは、分かっているんですけどねぇ。

ともかく、ハッと思わされる素晴らしい出会いでした。