久々に自分を含め男4人の友人と飲み会。焼き鳥屋さんでいろんな話題で盛り上がる。その勢いでイケナイッと思いつつナント親友N氏を誘ってしまった。なぜイケナイッかと言うと、親友N氏は、話題豊富で話しも面白楽しく飲み会の場では欠かせない存在だが、なにせ金を持ってこない。精算になるといつの間にかスッーと何処かに消えていなくなる。はっきり、勢いでしか呼べない。
携帯で『飲みようけん、こんや!』と誘うと、親友N氏は『う〜ん、じゃあ、行こうか。』といかにも迷い考えた様にみせかけてナント速攻即答。驚いた。
更に驚いた。携帯を切り、ジョッキーを飲み干し、トイレに行き『ビールもう一杯!』と注文しようと席に戻るやいなや(アズスーンアズ)ナント『よぅ!久しぶり!』と親友N氏参上。まてよ。自宅から早歩きでも20分はかかるはずなのに…。携帯を切りまだ10分弱。間違いなくタクシーを使うはずはない。
疑問は残ったが更に更に驚いた。親友N氏の服装。襟袖がのりでカチンカチン、しわの一本も見つからないパリッパリッのシャツ。ズボンは、クリーニング屋さんが『これでもか!これでもか!』とジュウジュウいわせながら仕事したと容易に考えられ、一年間は決して取れるはずのないアイロンラインくっきり、黒のスラックス。足には、だんだん暑くなったきた季節にはむれて“まずないやろう”と誰もが想像できる、増してや人混みでガヤガヤし煙でモンモンとする焼き鳥屋と認知した上で、あえてブーツ。色はまた黒。親友Nよ。男だけの飲み会よ。みんなリラックスムードのラフな服装よ。しかも言っては悪いが焼き鳥屋よ。なんでこんなに早く着替えれたん。…。私の中で様々な言葉が頭の中を渦巻いたにもかかわらず、発音できる言葉を失った。そんな思いとはいざ知らず、親友N氏の眼は草原でチーターが獲物をねらうがごとく爛々と輝いていた。
…まっ、そんなこんなで、親友N氏の加入で飲み会は大盛況。夜も更け時計は刻々と時を刻み、恐怖の凄惨な精算の時を迎える。(つづく…。)
ちなみに親友N氏とは、修学旅行でも同室の中学生以来の付き合いです。