先日、外出時にトイレを借りにBデンキに入り、その帰りぎわ、通路沿いの中古レンタルCD販売コーナーを発見してしまいました。もともと、音楽好きの私は“何かいいCDないかなぁ?”と思い、さっと近づき熱心に探しました。以外や以外、中古にしては結構いい曲があるではないですか。しかも、シングルCDがなんと一枚300円。これは安い。(眼鏡キラリッ☆)私は、厳選に厳選を重ね、最終的に4枚ものCDをゲットしました。
その後、レジを済ませ、Bデンキの袋を片手に店を出たのは、トイレを借りに入店して、すでに30分が経過していました。これはロスタイム。「イカン!」と思いすぐ車に乗り込みました。
そんな焦った気持ちとは裏腹に、私はワクワクしてたのでしょう。車を発進するやいなや、今買ってきた4枚のCDを聴きたいが為、手早く順番にCDをセットし、曲が始まるのを今か今かと待っていました。ルンルン。
するとどうでしょう。一瞬の間に、急激に昇った太陽が急激に沈んでいく様な不思議な感覚にとらわれました。自分でもどうしようもありません。実は、曲が始まり、1曲も聴き終わらないうちに、一転、すでに聴きたくなくなってしまっているのです。
曲が気に入らなかった訳ではありませんし、予想した通りの曲でした。しかも、買う時にあれほど時間をかけて、あれほど厳選したにもかかわらず。自分で言うのも変ですけど、自分自身、飽きっぽい性格ではありませんし。増してや、音楽を聴くのは、大、大、大好きですし。
心無いまま、4枚のCDを飛ばし飛ばし聴いていくと、あっという間に終了。もう、再び聴きたい気持ちにはなりませんでした。「4枚は買いすぎたかなぁ?」「運転中でそこまで気がまわらないのかなぁ?」と頭の中で、いろんな理由を考えていました。そんな時でした。心に冷たい風がふっと吹き抜けていきます。
その瞬間、ハッと目覚め、我に戻りました。そして、私は気付きました。これは別に聴いても聴かなくてもいい曲を、ただ単に『安い!』と言う理由だけで選び買ってしまったんだ。つまり、買う必要もないCDを衝動的に買ってしまったんだ。その結果、使わなくてもいいお金を無駄に使ってしまったんだ。そもそも、他の場所でトイレを借りていれば、こんな事は起こらなかったんだ。
私は、愕然としながらも、この思いを誰にもぶつける事が出来ませんでした。唯一できた事は、運転しているハンドルをギュと握り締めることぐらい。その手のひらを伝う汗が生ぬるいのを今でも憶えています。ふと気付くと窓の外は、いつから降り出したのか雨。その日以来、4枚のCDは運転席横の収納BOXに入ったまま、人の目にふれる事もなく、ひっそりと数日が過ぎていきました。
そんな出来事はすっかり忘れていたある日。天気は晴天。仕事でO氏と車に同乗していました。すると、運転していたO氏は、走り出して間もなく、おもむろに一枚のCDをセットしました。あらっ。私はかすかな記憶を辿り始めました。聴こえてきた曲はどこかで聴いた曲。えっ〜と…、えっ〜と…。
そしてついに、思い出しました。この曲はIWISHの“ふたつ星”。そうです。なんと、私が、先日買った4枚のCDの一枚なのです。しかも、O氏は鼻歌交じりで曲に合わせてハミング♪私の知らないうちに聴き込んでいたのでしょうか。やはりそうです。曲が終ったかなぁ、と思うとまた“ふたつ星”。知らない間に、リピート設定になっていました。アッパレ。
そして、O氏はこう語りました。『この曲、素人っぽくていいんですよね。今度、カラオケで唄おうと思って練習してるんですよ!』とルンルン。男なのに女性の曲?と若干の違和感は覚えましたが、なにせ悪夢の記憶しかない4枚のCD。そのCDが、人の役に立っている光景を、まざまざと目の当たりにしますと、私の気持ちは、一転スッキリし、清清しいものへ変貌していきました。
私は、あの時CDを買って良かったんだ。私が、あの時支払ったお金は無駄ではなかったんだ。つまり、あの時トイレを借りて良かったんだ。茨の道だからこそ突き抜けると喜びも大きいものです。O氏、ありがとう!
カラオケにいったら“ふたつ星”唄いましょう!